第70回西医体レポート

お世話になっております、医学科5年の藤田聡です! 

学生OBの立場からこの1年間現役部員の練習を見てきた身として、遅ればせながら今年の西医体についてレポートします。 

[レース結果] 

総合9位 

◎470級:9位:9-8-5-3-(12)-10-10-10-(12) 

白潟(4回生)・今村(2回生)ペア:1,2,6,7レース 

宝珠山(4回生)・猪瀬(4回生)ペア:3,4,5,8,9レース 

◎スナイプ級:7位:(UFD)-6-2-(7)-5-5-7-5-7 

貞広(4回生)・片山(2回生)ペア:1,2,8,9レース 

武内(3回生)・岩田(4回生)ペア:3,4,5,6,7レース 


470級 

1位  兵庫医科大学 17点(5)-1-1-5-1-1-4-4-(6) 

2位 和歌山県立医科大学 17点 1-4-(RET)-4-(5)-4-2 

3位 京都府立医科大学 18点 2-2-2-1-3-(5)-(5)-3-5 

4位 広島大学 27点 3-5-4-(10)-(DSQ)-3-1-8-3 

スナイプ級 

1位 産業医科大学 19点 (8)-2-1-2-(6)-3-4-6-1 

2位 広島大学 20点 2-1-(RET)-1-1-4-6-(8)-5 

3位 京都府立医科大学 20点 (7)-3-(5)-3-4-2-2-4-2 

4位 和歌山県立医科大学 23点 5-4-3-5-(7)-(7)-1-2-3 

総合 

1位 京都府立医科大学 38点 

2位 和歌山県立医科大学 40点 

3位 広島大学 47点 

4位 香川大学 59点 


 

[レース総括] 

今年度のレース会場は浜名湖でした。初日の午前は4~5m/sで午後のシーブリーズが入るとAve.7m/s、max10m/sと強風域のレースとなりました。二日目と三日目は3~5m/sでした。湖特有のフレを掴むレグを引いたペアが前を走るレース展開だけでなく強風に対してボートスピードを落とさないことが重視される局面もありました。幅広い風域での走力やフレを掴む能力が求められ、ヨットレースにおける総合力が試されるコンディションでした。 


総合優勝を手にするには両クラスで点数をまとめることが必須である近年の傾向は今年度も見られました。昨年同様今年度も、総合優勝を収めた大学はクラス優勝をしていませんが、両クラスともに高いレベルで点数をまとめ上げた大学となりました。両クラスともに上達するチームとしての総合力が近年の西医体では問われています。今年総合優勝をなし遂げた京都府立医大さんはトップフィニッシュの回数こそ多くはなく派手さはないものの、英語をたたくこともなく両クラスともに高い水準で点数をまとめ上げています。幅広い風域のレガッタで、どの選手が出場しても崩さないというレース結果からは高いチームの総合力が伺えます。 


一昨年、昨年と比較して今年の成績は劣りますが、今年度の取り組みがこの2年と比較して大きく劣っていたとは思えません。ここ2年間の結果が重圧としてのしかかる中、客観的にみて現役部員はよく練習していたと思います。勝負の世界であるため結果が出なかった以上、練習量と方向性が正しくなかったと指摘されれば反論はできません。しかし絶対的な練習量に関していえば、今回上位を占めた大学に大きく引けをとっていたようには思えません。限られた時間のなかでいかに効率よくスキルを伸ばすか、どのスキルを伸ばす練習をするのかといった、質や練習内容の配分に差があったのでしょうか。そもそも他大学さんが私たちの想像をはるかに上回るほどの練習量を積んでいたのかもしれません。今年の宮大にかけていたものを埋め合わせていく作業がこれからのチームには求められます。 


その足りなかったものの一つがレース経験だと私は考えます。今回上位をしめた大学はフレに対するレグの引き方やフリートにおけるポジショニング、ブローの入るエリアを見る能力に長けておりどの風域でも崩すことはありませんでした。優勝争いに絡む大学の多くは5年生3年生ペアがエース艇と出場する中うちは4年生以下のチームで挑むため、圧倒的なレース経験の差があります。それを言い訳にしないためにも、近年では外部のレースに遠征を行っていますが、まだまだ大きな差があると痛感しました。一昨年や昨年ではストラテジーやタクティクス面よりもボートスピードが重視されるレガッタであったためこうした点は顕在化しませんでした。強豪校としての地位を確立するためには、まずボートスピード・ボートハンドリングを練習でしっかりと磨き上げること、加えて多くのレースに参加し戦術・戦略面を強化するという基本的な方針の重要性を再認識しました。来年の琵琶湖での西医体を見越して同志社ウィークなどのビッグフリートのレースに是非参加してほしいと思います。 


悔しさの残るレガッタではありましたが、次につながる収穫もみられました。スキッパー1年目にして本レースに出場した武内は2位をとったレースもあり上位を狙うことができる自信がついたことでしょう。スナイプ級で2連覇を成し遂げた産業医大さんのスキッパーも武内を絶賛していました。今後の飛躍に期待したいです。クルーとして出場した2年生の今村と片山の経験はこれからのチームの財産となるでしょう。レースメンバー、サポートメンバー関係なくチーム全体のために行動をする、この西医体への取り組みは掛け替えのない経験であったと思います。 

これからの一年間は、3年の武内、中田の二人が幹部としてチームを引っ張っていきます。入学以来良い結果しか見たことがなかった二人にとって今年は負ける悔しさを知った西医体だったことでしょう。今年の悔しさをバネに努力を積み重ねて、来年こそ優勝杯を奪還することに期待しつつこの辺で筆を置きたいと思います。 


最後になりますが、今年度も年間を通して沢山のOB.OGの方々から暖かいご支援を賜り、1年間活動をすることができました。私たち学生が何不自由なく練習に集中することができているのは紛れもなくOB・OGの先生方のお陰です部員一同心より感謝しております。今後とも部員一同必死に練習してまいりますのでどうか来年度も宮大ヨット部への暖かいご支援・ご声援のほどよろしくお願い致します。 


宮医ヨット部5年 藤田 聡